ボクはバク

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「りっくん、きみはそのまま、やさしくてつよいこのままでいてね」 「ま、待って!……行っちゃうの?」 「うん。ボクは夢喰いのバクだからね。みんなの夢、たべにいかなきゃ」 「そっか……」 ボクが頭を撫で続けていると、次第にりっくんはうつらうつらとしだした。 「じゃあね、りっくん。もしまたわるい夢をみたらまたよんでね。いつでもくるからね」 「バクさん……」 「またね」 りっくんは布団に倒れ込むようにして眠りに落ちた。 ボクはりっくんの体勢を直して、風邪を引かないように布団を肩まで掛けてやった。 「こんどはいい夢をみれますように」 ボクおなかの代わりにいっぱいになった胸に手を当て、りっくんの家を出た。
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