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早速、冷房をフルに効かせるも、もちろん、直ぐには冷えしない。それに、空気も悪い。
普段はやらない無駄の極みだけど、冷房を効かせながらベランダも開けた。
「早く、冷えてくれ」
そんなことを願いながら女の子の元に戻ると、女の子は痙攣を起こし始めている。
やばい、やばい、どうしよう。どうすればいいんだよ?
何をすれば良いか分からず、取り敢えず近くにあった雑誌で女の子に向かって扇ぎ始めた。ただ扇ぐ。早く冷房が効けと怒りながら仰ぎ続ける。
そんなに長い時間では無かったはずだが、俺にはやっとと言う感じで冷房が利き始めた。俺は、慌ててベランダを閉め、考えた。
後は、後は何をすれば・・・そうだタオルでおでこを冷やすのは悪くはないはず!
俺は慌ててタオルを探し、水で濡らすと女のこの額に乗せた。
でも水道の水はあまり冷たくは無い。
そうだ!と思い、冷蔵庫にある全ての氷を取り出し洗面器にその氷と水を入れタオルを冷やし始める。
一旦、女の子のところに戻ると、息は荒く一向に落ち着く気配がない。俺はパニクッてしまい、その後に何をすれば良いか全く思いつかない。
なのに何だろう、こんな時でも自身の生理現象には反応してしまう。冷たいものが飲みたくなっていた。
炎天下歩いていたせいで、喉がカラカラに乾いていたのだ。
と言うことは、
そうか!
そこで、バカな俺はやっと気がついた。一番大切なことを。
きっと女の子だって俺以上にのどが渇いているに違いない。再び慌ててキッチンに戻ると、そこにピン~ポン~と呼び出し音が鳴った。一瞬、
こんな時に誰だ?
うるさい!
と思ったけれども、もしかしたら助けてくれるかもしれない、そう思い直した俺は、藁をも縋る気持ちで玄関を開けた。
すると、そこには・・・
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