うん、パパだよ。

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 その日は取り敢えず様子を見て入院と言うことになったので、看護師さんの指示で売店に行き、子供ようのパジャマと下着類を揃えた。子供とは言え始めての女性ものの購入に、俺の指は震た。  その時、売店の冷蔵庫の横を通り過ぎ様に、やっと自分の喉が渇いていたことを思い出した。  俺は反省と教訓を刻む為、敢えて我が冷蔵庫に貯蔵していなかったスポーツドリンクを購入。  喉の渇きを一気に癒すと、俺はスポーツドリンクの能力の高さを実感。そして、やっと一息入れることが出来たその時、生まれた余裕がいつもの自分を取り戻させた。  そこで俺はハッと気付くことに。  そう言えば、汗びっしょりで息を切らせていた彼女も全く水分を取っていなかったと。  何も取らずに俺に代わって女の子の看病に必死だったと。  更に、俺は未だに女の子が大丈夫だってことを彼女に知らせていないし、お礼だって言わず仕舞いになっていると。  俺は彼女の善意に甘えたままであったのだ。  甘えっぱなしで、まだ何も話せていないままであったのだ。    それに、何故俺のところに来たのかも知りたい。  何か話があったのかもしれないし、何か話そうとしていたようにも見えた。  俺はとにかく彼女と話さなきゃ。そう思った。  だけど・・・、  瞬時に俺はそれを否定した。  多分それは聞くまでもなく、俺がいきなり居なくなったから心配してのことに違いないからだ。  彼女に好きな人が出来てしまったことは、もう今更覆しようもないし、責める気もしない。きっと彼女にとって俺がそれだけの人間でしか無かっただけのことである。  だからもう、彼女から聞きたい言葉は俺には何も残ってはいない。  でも、せめて今日のことも含めて、色々支えになってくれたこと、今まで楽しかったことのお礼だけは最後に言いたかった。  それで気持ちにケジメを付けられる。そんな気もしていた。  多分、それはこの状況がそうさせたのだと思うけど、俺は心の底からそう思っていた。  だから・・・。
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