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平行線のまま母との対話を終えた祖母は、傍で聞いていた私に意見を求めた。
「灯里さんは、どうしたい?」
正直なところ、どこで暮らそうと自分自身は変わることはないだろう……ほんの少し前までは、そう思っていた。義務教育を終えるまで、祖母の元で辛抱すれば、いずれは自立できるだろうと。
けれど、夏休みの終わりを三日後に迎えた今、永遠に祖母と暮らせたら……という気持ちが沸き上がりつつあった。
━━人生には、限りがあるからねぇ。
十二歳を迎えるお祝いにとプレゼントされて以来、いつも腕時計を身に着けるようにしていた。刻まれる時を確認するたびに、祖母と過ごす時間にも限りがあるのだと思いしる。
静かに回る秒針のリズムを感じながら、私は答えた。
「少し、考えたいです」
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