第三章 大切な人への誓い

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 「……そのように彼女や保護者に伝えよう。  しかし、君にそんな要求が行くと大変だ。私は穏便に済ませたいと思っている」  「おんびん?」  言葉の意味が分からないようだ。こちらも親切に教える。  「平和的に解決するということだ。  子供が仮に君の子供だとしても、その子に対して、なんの権利も義務もないという書類があれば、彼らは君に何も求められない。どうだろうか」  思惑と逆の表現をした鷹也に、少年は感謝の視線を向けてきた。  勝負はその瞬間ついた。
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