第二章 衝突~提案

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 ***  しかし、未成年の真澄との結婚は簡単ではない。  婚姻届を出して成立とならないからだ。真澄の両親が、鷹也と娘の結婚を許すとは思えない。  そこまで考えて鷹也は首を振った。彼は霧山家に連なる者だ。真澄の両親の財力なら、鷹也の秘密を探りだすのは可能だろう。  グループ内で、鷹也の正体は公然の秘密だ。そうなれば、即座に賛成して結婚を急がせるだろう。だが、そうなると鷹也は困る。  政治家の義母を持つつもりはない。  下の異母兄(あに)である英志は政治家一族の娘と結婚しているが、彼女の実家は大臣も出した名門だ。どちらにもメリットのある結婚だった。  なので、タレント候補と呼ばれる女性に、霧山家を利用されるわけにはいかない。鷹也の立場に響く恐れがある。  「真澄。もし、両親と縁を切ってほしいと言ったらどう思う?」  「……分かりません。でも、戻ることは無理ですよね……」  複雑な感情が込められた声に、鷹也も(つら)くなるが、おなかの子供に最適な環境を与えたいと思うと、そのままにはできない。
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