第三章 大切な人への誓い

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 ***  結婚して少し落ちついた頃合いに、二人で実家に向かった。  「待ってたわ。紗彩(さや)もいるのよ。可愛い義姉(あね)に早く会いたいって」  「……」  母親の言葉に鷹也は苦笑して、真澄が赤くなった。  「まさか、義姉(ねえ)さんとは呼ばないと思うが、紗彩だからな」  困った口調の鷹也に智子(ともこ)は笑っている。  「どうかしら。でも、理奈(りな)ちゃんのことは名前だから、真澄ちゃんも同じじゃない」  母子の会話が一段落すると、真澄は深く頭を下げた。  「はじめまして、真澄です。お会いできて嬉しいです……」  その後の言葉が続かない真澄に二人は笑って、智子が安心させるような笑みを向けた。  「こちらこそ、会えて嬉しいわ。  真澄ちゃんが来るって分かってからみんな楽しみに待ってたのよ」  智子の言葉に、真澄は赤くなったがホッとしたような表情に変わった。
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