第三章 大切な人への誓い

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 ***  翔真に依頼して安心した鷹也は、実家に真澄を迎えに行った。夕食も実家だ。簡単に説明する必要がある。  彼は翔真に調査を依頼して、来週の月曜日に結果が分かると伝えた。なので、明日も真澄を実家に預けることになる。そのことも頼まないとならない。  家族は複雑な表情だった。仕方ない。  真澄のおなかの子供が、鷹也の子供でないと知っている。それは気にしていないが、実の父親が名乗ってくるとなると厄介でしかない。  妊娠八か月になろうとする理奈が特に心配そうだった。彼女は、双子の妹にいつも何かを奪われていた。失う恐怖を知っているともいえる。  真澄が手に入れた、穏やかな生活が壊れるかもしれないという状況を知れば、不安になるのも当然だ。  鷹也は、理奈に安心してもらえるように伝えた。  「理奈、心配はいらない。翔真さんが調査するということは、対処もほぼ同時に可能になるということだ。  その子だけなら特に問題はないだろう。後ろで誰かが知恵を与えていたら少々面倒という程度だ。普段の業務に比べたら、片手間で済むくらいだよ」  「でも、その子、非常識よね。結婚したの知ってて近づくなんて、何を考えてるのって感じじゃない」  紗彩(さや)が怒っている。その怒りは当然だ。
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