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…人生の絶頂とは、どのタイミングで訪れるだろうか。少なくとも、僕、高尾野浩輝は今空も飛べるくらい、舞い上がっている。
二学期に突入して、既に幾ばくか経ったある日のことだ。僕はいつものように、街並みを行き交う亡者達を潜って登校する。
寝ぼけ眼で開けた下駄箱から羽のように舞い落ちた一枚のそれは、脳に残っていた睡魔を駆逐するには十分すぎる威力を発揮した。
自分でも驚くほどの反射速度でそれを回収、懐に突っ込み、厠へ全力疾走。そして、開帳する。
「……ッシャアオラァアア!!」
───勝利の雄叫びが、紅葉舞う午前八時の校舎に響き渡った。
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