546人が本棚に入れています
本棚に追加
新入生のランクは、入学翌日の午後四時に発表される。
番号もまだわからないから、見れるのはAランク以上の生徒の名簿だけ。それでも談話室には緊張が走る。
「よし、見るぞ」
「はい!」
健司が動かすパソコンを、亜実と慧と共に覗き込む。帰ってきた孝則と、博と謙太も、固唾を飲んで見守った。
今年の新入生はSランク一人、Aランク九人。そして、その中に先端技術科の1年生は。
「Aランクに一人。深見幸義君が入ってます」
「それだけか?」
「はい……」
何度確認しても、一人の名前しかない。重いため息がいくつも重なった。
そして。新入生を迎えに行った清次郎は、不機嫌さを隠しもせずに帰ってきた。
「どうだ?」
孝則の問いかけに、視線を合わせる事なく答える。
「A一人、B五人、Cニ人です」
「え……?」
思わず声が出た。
「え、どうするんですか?」
慧も。
「Bランク以上しか入れないんじゃ……」
謙太も。
「勧誘しておいてC以下なんて、今までこんな事あったんですか?」
博も、驚きの声をあげる。
最初のコメントを投稿しよう!