一、新寮長

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「よし、じゃあ①から話していこう」  沈黙を破ったのは孝則だ。 「いつもは二人が説明会に行ってるんだよな。昨年は蓮先輩と咲希だっけ?」 「そうです! 私達の年は園香先輩と柚子先輩でした!」  孝則の声が大きくなったのがわかって、咲希も元気良く答えた。孝則は①の横に【説明会2人?】と書き足す。 「勧誘したのが?」 「男子が俺で、女子が結坂です」    慧はいつも通り落ち着いたトーンで答えた。 「じゃあ勧誘も二人だな」 「私達の時は園香先輩だけでしたよ?」 「俺の時も清澄先輩一人でした」  健司も付け加えて、先程の下に【勧誘1~2人】の文字が足される。  そういえば。と健司が切り出した。 「プロフィールっていつから見れるんだ? 絞ってから勧誘するんだろ?」 「昨年は入学式前日からでしたよ。時間がないから私達が説明会に行ってる間にも、柚子先輩と一条がプロフィールを見て、良さそうな子を探してくれました」 「そういえば四人で先にドリームランドから帰ってたな」  孝則はそう言うと、【前日には帰ってくる!】と書いた。そして、清次郎を見る。 「清次郎、どうする?」 「え?」 「説明会と勧誘。どうしたい?」  すると、清次郎は言いにくそうに口を開いた。
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