愛 / 撫

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首筋を舌が這いそのまま背中や体表を濡らし私の熱を奪っていく。 ゆるやかなふくらみを濡れた舌が這い、先端部を口に含まれ引っ張られる。舌先でねぶられると、ただくすぐったかったそれはチリリとした微細な刺激にかわり身体の深部まで達して熱をたたえる。 「テ、テオ…んっ」 持てあます熱に困惑する私はテオの名を呼ぶ。その声は厚めの唇でくちゅりと塞がれ摘み取られる。 身体のあちこちに舌を這わされ、吐息を漏らし自分のものとは思えない切なげな声をあげていた。 私の中には未熟で固いままのラナの実のような私がいた。身を丸め縮こまったままの私は、何回かのテオの愛撫で溶かされ、いつの間にか姿を見失っていた。 * 息を整えていると布ごしにぎゅうっと抱きしめられた。 耳元にかかるテオの熱い息。 「しばらく、このままでいさせて……」 テオの熱が私を覆う。 私の熱と重なり熱は逃げだしにくそうだ。 そのまま動かずにいると腰にあたるものの存在が気になる。 掛け布の下の私は裸体でテオは下穿きを纏っている。何回かあった愛撫行為の後のテオは、私から離れると直ぐに別室に向かう。今までも察してはいたけれど見ない振りをしていた。 異母兄に触れられたときを思い出す。 兄は私にそれを触れさせたがった。 触られると気持ちがよいらしい。 鴇色のそれは触れていると大きく震え、どろりとした白い液体を吐き出した。指の間を伝うさらさらとした粘液は私に嫌悪をもたらした。 汗で湿るテオの腕をつかみ自分から唇を合わせた。テオも強く唇を吸い返してくる。部屋はしばらくくちゃくちゃした水音だけ響いていた。 その隙に私は手を下に伸ばし熱に触れた。びくりとして腰を引くテオ。私は更に手を進める。 布の越しに形をなぞり軸をつかんだ。 気持ち悪いとは思わなかった。不快さとは対極にあった。 「……してくれるの?」 驚くテオ。私は頷いて下穿きの中に手を差し入れた。熱くすべらかなものに触れる。先端はぬるつき布地は湿っていた。 テオの腰を浮かせて布地を引きさげる。 優しく肉をつかみ擦りだした。 先端はぬるつき、指でなぞるとくちくちと音をたてる。 「ん、気持ちいい…」 くびれをたどると根が張ったような筋が浮き上がる。しばらく指で作った輪で軸やくびれを擦っていると軸の中心が膨れ上がった気がした。   「……っ」 テオは言葉にならない声をあげ、ぶるりと全身を震わせる。 前後に揺れながら吐き出された手を濡らすそれは嫌悪をもたらさなかった。 少し上気をしたテオと目があった。口を吸われる。 テオには無理強いされないという信頼があった。怖くはないし、テオが気持ちをよさそうにしている姿を見ると嬉しくなる。私自身が彼を気持ちよくできたことを嬉しく思った。
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