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呆然とする秋乃に不敵な笑みを浮かべながら廣瀬が近づいてくる。
身の危険を感じた秋乃は無意識に立ち上がると後退りをしていた。
「どこへ行くんですか?まだ大事なものを返していませんよ」
廣瀬の手伸びてきて秋乃の怯えた顔を妖しく撫でていく。
士郎ではない男に触られた事に驚いた秋乃は、思わずその手を叩き落としていた。
接触した時爪が当たってしまったのか、廣瀬の手の甲には小さな引っ掻き傷がついてしまっている。
廣瀬は傷口を見るとニヤリと笑い、そこに滲む血を秋乃に見せつけるようにして舐めとった。
赤い舌の妖しい蠢きは、自ずと淫らな行為を連想させる。
「……っ帰ります」
秋乃は顔を真っ赤にすると、踵を返し急いで玄関へと向かった。
これ以上ここに居てはいけない。
頭の中ではひっきりなしに警報が鳴っている。
しかし靴を履く一歩手前の所で後ろから捕らえられると、壁に強く押し付けられてしまった。
背中には壁、目の前は廣瀬に行く手を遮られ、逃場を失った秋乃は動転してついに暴れだす。
「何のつもりですか!?やめてくださいっ」
身をよじって必死に抵抗するが、華奢な秋乃の身体は簡単に捩じ伏せられてしまう。
「帰る?冗談でしょう?あんなものを見せられて、大人しく帰れると思っていたんですか?」
「…なっ?!」
「このまま帰ったら、お宅の変わった:趣味|が団地中に広まる事になってしまいますよ」
酷薄な笑みを浮かべた廣瀬が秋乃の耳元でそっと囁やいてくる。
「何が言いたいんですか?」
秋乃は精一杯力を込めて廣瀬を睨みつけた。
「最近嫁が全然相手をしてくれなくてね、溜まってるんですよ…わかるでしょう?奥さん」
廣瀬の恥知らずな目的に気づいた秋乃はぶるりと身を震わせた。
こんなやり方卑怯で下劣で最低だ。
しかし秋乃の中の冷静なもう一人が、士郎のためには従うしかないと訴えてくる。
幸せな結婚生活を崩されないためにも、秋乃がここで食い止めなければいけないのだ。
秋乃が押し黙っていると、廣瀬の大きな手がいやらしい手つきで太腿を撫であげてきた。
その瞬間、背筋を舐めるような官能が駆け上がっていく。
「ん、ぁ……」
秋乃は思わず熱い息を吐いていた。
慌てて口元を抑えるが廣瀬にはしっかりと聞かれてしまっていたらしく意地の悪い笑みと共に際どい部分を何度もなぞられる。
抵抗しなくては、そう思うのに士郎に中途半端に放られていた秋乃の身体は、男の淫靡な手管に反応してどうしても熱くなってきてしまう。
「こんなの……奥さんに、バレたら…どうするんですか」
崩れ落ちてしまいそうになる理性を必死に保ちながら、秋乃は最後の望みを賭けて廣瀬の理性に訴えかけた。
しかし、男の手は止まるどころかますます卑猥なものに変わっていく。
「それはあなたも同じでしょう?大丈夫、誰にも言わなければわかりませんよ、ね?」
廣瀬の手が唐突に股間を捉え、上下にさすってきた。
「…あっあ……あ」
燻っていた熱があっという間に甦り、肉体に火をつける。
服の上からさすられているだけだというのに、秋乃の股間はデニムをぎゅうぎゅうと押し上げ、早く出してくれと言わんばかりにむくむくと勃ちあがった。
夫のものではない男の手なんかに反応したくないのに、身体は廣瀬の手から生まれる快楽を忠実に追い始めている。
「だめ……だめっ」
だめと言いながらも、廣瀬の手に自分の股間を押し付ける動作が止まらない。
もっと触ってほしい。
直接的な刺激がほしい。
貪欲な身体は先を欲しがり、持て余した熱を解放したくてたまらなくなってくる。
「自分で脱いでくれたら、ちゃんと触ってあげますよ」
廣瀬の残酷な命令に秋乃の瞳から涙が溢れる。
散々焦らされた肉体は目の前の誘惑についに屈服してしまった。
「士郎さんごめんなさい」
心の中で何度も懺悔しながらデニムのフックを外すと膝まで一気にずり下ろす。
パンティー姿になった秋乃の下半身に廣瀬の視線が突き刺さった。
淡いピンク色の下着に包まれた股間ははち切れんばかりに膨れ上がり、収まりきれない性器の一部がウエスト部分のレースから顔を覗かせている。
下着はすでに愛液に濡れ、所々に濃いシミを作っていた。
「こんなにヌルヌルを出して…いけない奥さんだ」
廣瀬の指先が、はみ出した蜜口から出る滑りをまとわせながら亀頭をヌルヌルと往復する。
羞恥に耐えきれなくなった秋乃は両手で顔を覆うと、「見ないでください」とか細く呟いた。
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