月明りの下、無邪気に願えば…

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 美月が成長するとともに、欲しがるものが大きくなって重くなっていったけれど、僕はいつも妹の希望を叶えるために、かかさず訓練を重ねていたから、美月が欲しがるものぐらい簡単に動かせたんだ。  でも、月はちょっと、試したことがない。えいっと力を入れてみた。  頭の中で月を引っ張るイメージをする。いつもみたいに手応えがないけれど、あまりにも思念に力を込めすぎて体力を消耗してしまった。 「美月、ごめん。無理だよ。お月さまは遠すぎる」  月明りを浴びた美月の目が曇るのを見て、僕は美月の好きなお話をしてやることにした。  しばらく話していたら、近所のドアの開閉の音が聞こえ、あちこちから人が道路に飛び出して、騒ぐのが聞こえてくる。  こんな夜更けに何を騒いで切るのだろうと、外を見ようとしたら、何倍もに膨れ上がった月が見えて、陽太はびっくりした。
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