あの人との出会い

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どう考えても歳上の人に敬語を使われ、名前をさん付けで呼ばれるのは、なんとなく落ち着かない。 道代さんも土田さんもそうだったのに、この人は家政婦という感じがしないので余計に違和感を抱いた。 「それではこれからお掃除しますので少しうるさくしますけど……大丈夫ですか?」 「ええ……まぁ……大丈夫です」 勉強中ではあったけど、二人きりの空間で静まり返っている方が気まずいし、かといって自分の部屋にこもるのも感じが悪いかなと思い、リビングでそのまま勉強を続けることにした。 掃除を任せているのは俺の部屋と父の書斎以外で、広くて部屋数が多いこの家は掃除に時間がかかるので、使っていない部屋は2日に一度程度の割合で順番に掃除してもらっている。 こんなにたくさんの部屋を作ったということは、もしかして父は子どもがたくさん欲しかったのかもと思ったことがある。 残念ながら母は俺一人ですら子どもは欲しくなかったから、父と俺が二人で暮らすには無駄に広すぎる空き部屋だらけの家になったのだろう。 宮本さんはそんなだだっ広い家を丁寧に掃除している。 若くてまだ経験が浅いのか、歳下の俺の目から見ても家政婦としてあまり要領がいいとは言いがたい。
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