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「秋人くん! ごめんっ! 俺、さっき・・・」
俺はそう言いながら勢いよく頭を下げていた。
俺はまた間違ってしまっていた・・・。
「あ~・・・いいよ? 別に。そんな謝るようなことでもないし」
そう言ってクスリと笑ったのは花咲月くんに抱きついている方の花咲月くんだった。
「けど・・・名前を間違えるのは・・・」
「まあ、普通は失礼なことだけど・・・俺と秋人は双子なわけだし・・・。それを見間違えるのは仕方のないことだよ。俺も嘘を吐いたし・・・ね?」
仕方のないこと・・・。
花咲月くんの・・・秋人くんの言ったその何気ない一言はグサリとくるものでその優しい笑みもグサリとくるものだった。
仕方のないことなんて何もない・・・。
だって俺は・・・。
「本当に・・・ごめん。次は・・・気をつける」
俺はもう何回も言っているそのセリフを言ってそこから逃げるために洗面所へと向かった。
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