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「・・・春海・・・俺のそばに居て? 春海が俺のことを嫌いになるまででいいから・・・」
「・・・けど・・・流石にさ・・・」
俺はそう言いながら続かない言葉の先を考えていた。
「・・・やっぱり春海も・・・」
そう呟いてふっと笑んだ秋人くんはひどく辛そうだった。
だけれど、俺には何が『やっぱり』なのかどうして秋人くんがそんなに辛そうなのかがわからなかった。
「・・・二人がちゃんと生活費を受け取ってくれるなら・・・居るよ。けど、今みたいな状況で居座り続けるのはちょっと・・・。何て言うか・・・しんどいし、申し訳ないから・・・」
俺はそう答えて苦く笑んでいた。
俺は今、秋人くんと秋人くんの家に居候させてもらっている。
それも全て無償で・・・。
「またその話? 生活費はいいって言ってるのに・・・」
そう言って小さな溜め息を吐き出した秋人くんに俺は『駄目だよ』と言って首を横に振っていた。
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