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「・・・花咲月くん・・・」
俺はそう呟いて安堵とも呆れともつかない溜め息を吐き出していた。
そして、その溜め息が消える寸前・・・何か強い力に腕を引かれた俺は体勢を崩し、布団に・・・と、言うよりは寝ているその人・・・花咲月くんの胸に倒れて一人で慌てていた。
「・・・おはよ。春海」
そう発せられたその声は今日も聞き心地のいいものだった。
それは妬けてしまうほどに・・・。
または『もっと』と思ってしまうほどに・・・。
「・・・おはよう。えっと・・・」
俺はそう言ってゆっくりと身体を起こし、うっすらと開いた目で俺を見てきているその人の名前を悩んでいた。
どっちだろう・・・。
そう悩むも俺にはその人がどちらなのかわからなかった。
だから俺は当てずっぽうに・・・。
「秋人くん・・・」
そう言ってその人からの答えをソワソワしながら待っていた。
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