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「・・・春海・・・どうしてそう思ったの? その答えは当てずっぽう?」
その人のその問いに俺は戸惑っていた。
素直に『そうだ』と答えるのは気が引けたし、当てずっぽうに言ったことに無理矢理な理由をつけるのも気が引けた・・・。
「春海・・・正解だよ。俺が『秋人』だ」
そう言ってふっと微笑み、寝たまま『おいで』と片腕を横に伸ばしてきたその人・・・『秋人』くんに俺は先ほど以上に戸惑わされていた。
『おいで』と伸ばされた『秋人』くんのその片腕は俺の解釈に間違いがなければ腕枕の腕だった。
俺も『秋人』くんも男だ。
つまりは同性。
それ同士が腕枕って・・・。
「春海・・・俺に腕枕をされるのは・・・嫌?」
「嫌・・・じゃないよ・・・」
『秋人』くんにそう答えた俺はゆっくりと身体を倒し、その伸ばされた『秋人』くんの腕の上に戸惑う頭を置いていた。
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