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「春海・・・今、何時?」
『秋人』くんのその問いに俺は『6時30分とちょっと・・・』と小声で答えて『秋人』くんとの間にできている絶妙な距離に悩まされていた。
『秋人』くんに近づきたい・・・けれど、近づきたくもない・・・。
そんな複雑で曖昧な感情が俺の中でごちゃ混ぜになっていた。
俺は『秋人』くんのことが好きだ。
けれど、それが今、目の前にいる『秋人』くんに対してのものなのかそうでないのかが今の俺にはわからない。
だって『秋人』くんは・・・。
「6時30分とちょっと・・・。じゃあ・・・起きようか?」
『秋人』くんのその言葉に俺は『うん・・・』とだけ答えて目を閉じていた。
それは今の状況を呑み込んで落ち着くために・・・。
なのに・・・。
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