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「ん。約束。じゃあまた後で」
そう言って俺の部屋を出て行った『秋人』くんに俺は『また後で』ともう届かない言葉を返し、笑んで着替えの準備をはじめていた。
俺は今、ここ・・・花咲月家で有り難い居候生活を送らせてもらっている。
なぜ居候生活をしているのかと言うと俺の住んでいたアパートが年末の大雪で倒壊したからだ。
いや、雪で倒壊? とか思われるだろうが倒壊した。
それはもう本当に綺麗にぺちゃんこに・・・。
そんな可哀想な俺を保護してくれたのが同じ職場で俺の教育係りだった花咲月くんだった。
花咲月くんと俺は今『フラワーショップ フェアリー』と言う小さな花屋に勤務している。
フラワーショップ フェアリーは本当に小さな花屋だけれど寂しい花屋でも廃れた花屋でもない。
フラワーショップ フェアリーはきっとどこの花屋よりも賑やかで華やかだ。
それは色んな意味で・・・。
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