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「丸山、早くウサギの穴持って来てよ。帰ったらすぐに丸山をバレー部に勧誘しに行くから」
「うん、長太郎くん、お願いするよ」
俺達はバスに戻った。そして丸山は再びハンドルを握り、来た道を戻った。
「さて、じゃあ長太郎くん、行こうか」
「え、何処へ?」
「研究所の中だよ」
「だって俺タグ無いから移動出来ないよ」
「僕に掴まっていれば移動出来るよ」
「え、それって警察や医者だけなんじゃ」
「そのシステムを作ったのも僕だよ。僕のタグにはもっと凄い機能も付いてるし」
「う〜ん、お前すげーな……」
今度こそ本当にお別れだ。俺は銀河、若じい、源さん、そして中津川さんに別れの挨拶をした。でも寂しくないし悲しくも無い。だって俺がみんなを救うんだ。俺が帰らなきゃみんなを救えないんだ。こんな所でグズグズしている暇は無い。
「みんな待っててね。俺、未来を変える。車が走る未来にするから。待っててね!」
銀河も源さんも嬉しそうな顔をしていた。
「頼むぞ長太郎」「任せたぞ」、そんな声に見送られ俺はバスを降りた。
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