20人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
ただ僕は書きたいのだ。
K子に手紙を書き続けたいのだ。届くことのない手紙を。
K子の問い・・
「・・くん、大丈夫ですか? 私は、それだけが心配で・・・」
今日、その返事を書く・・明日もまた書くだろう。
その次の日も、僕は書く。
「ごめんなさい、返事が遅くなりました」
K子は、僕の返事をずっと待っていた。
それに対して、返さなければならない。
「僕は元気でやってます・・君の方は元気ですか?」
彼女の長い時間に追いつけるはずがないことは分かってる。
分かってはいても、僕は書き続ける。
彼女が手紙を書いていた時間に追いつくまで僕は書き続ける。
それが、僕の彼女の気持ちに応える唯一の方法なのだから・・
(了)
最初のコメントを投稿しよう!