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次の日も朝早くから子供たちが一人、また一人と増えあっという間にいっぱいになった。
みなコウダイと一緒に朝ごはんが食べたいからと手にパンと果物を携えてきた。
「サウル様如何しましたか?」
外の様子を部下らと共に確認しして回っていたサウルは、賑やかな声が漏れ聞こえているコウダイの部屋の前で思わず立ち止まった。
あまりというか、今までほとんど素顔を晒したことがないサウル。鋭い目付きで中の様子を覗き込んだ。
コローロには見せしめのために殺せと言われた。でもどうしても手にかけることが出来なかった。
まさかこの俺がな………
微かにサウルが笑った。
「あ、サウル様だ」
子供たちがすぐに気がついた。
「お菓子をあとで届けさせる」
「やったー!」
「お菓子だ!」
子供たちは黄色い歓声を上げて大喜びしていた。
何気にサウルと目が合うコウダイ。ユキヤに声を掛けられるまで何かに取り憑かれたようにじっと見詰めていた。
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