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かつてガーランド空軍を率いた元帥・ソード殿下の庶子として生まれたサウル。
先代国王アシュクラ5世の第2王女ラニャを妃に迎えていたソード。
恐妻家で妻の尻に敷かれていたものの、その裏で気に入った下女や小間使いの女を閨にひそかに引き込んでいた。サウルの母も身分の卑しい下女だった。
ラニャに知られるよう秘密裏に出産したものの、僅か数分後に現れたラニャによってサウルは母親から取り上げられ、目の前で母を撲殺された。
ゴミとして捨てられた赤子を助けたのが、かつて母と同じ下女として働いていた女だった。
母を殺したラニャを憎み、母を助けてくれず見殺しにしたサードを憎み、日々膨れ上がっていった憎悪は、やがて王族そのものに向けられていった。
王族を根絶やしにするために20才の時、仲間たちとレジスタンス『赤い月』を立ち上げた。
ルベーノもサウルと同じ。王族の庶子として産まれ雪の舞う早朝に路上に捨てられた。
あと数分遅ければ命を落としていた。
実の父を怨み、サウル同様王族に対し激しい憎しみを抱いている。
だからこそ兄と慕うサウルが気に入ったラーズヒヤのことがどうしても許せなかった。
サウルは僕だけのものだよ。
誰にも渡さない。
敵対心をメラメラと燃やしラーズヒヤを睨み付けた。
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