スターロの悲劇

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「ユキヤ、もう離していいよ」 はじめサウルらの目を欺くためユキヤが一芝居演じたと思い込んでいたコウダイ。 ユキヤにはずっと想いを寄せる初恋の人がいる。 「ちょっとユキヤ聞いてる⁉」 その相手が誰か考えたこともなかった。 「ラーズヒヤは俺が嫌いか?」 腕の中にすっぽりと包み込まれ、息も出来ないくらい強く強く抱き締められて。 微かに色気を孕んだ低い声が耳を掠めていった。 「勿論好きだよ」 いつもとまるで別人のユキヤに戸惑いを隠せないコウダイ。変な声が思わず出てしまった。 「それはあくまで幼馴染みとしてだろう?」 くすりと笑われた。 「俺は恋愛の対象としてラーズヒヤが好きだ。だから日本に一緒についていこうと思った。片時も側から離れたくない。ずっと側にいたい。ダメか?」 予想だにしなかったまさかの告白に驚き目をパチパチさせていると、真摯な眼差しで瞳を覗き込まれた。 「ユキヤ………」 金縛りにあったみたいに身動きすら出来ずにいたら、端正な顔がどんどん近付いてきた。
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