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背後に視線を感じて後ろを振り返ると、物影から顔だけチラチラと出し子供たちが興味津々の様子でコウダイたちを覗き込んでいた。
「こんばんわ…………ごめんね、お兄ちゃんたち身動き取れないんだ」
逃亡しないようにコウダイの右足首に足枷が嵌められ、同じ鎖でユキヤの左足首にも足枷が嵌められていた。
「もしかしてお腹空いてるの?」
恥ずかしくなるなるくらいじーと見詰められて、思わず声を掛けると、はじめはブンブンと首を横に大きく振っていたものの、その直後ぐぐ~~とお腹が鳴る派手な音が辺りに響いた。
「おいで」
コウダイは子供たちを怖がらせないように、満面の笑顔で手招きした。
おっかなびっくり、恐る恐る、そぉーと4人の子供たちがコウダイの回りに集まってきた。年は五、六歳くらいだろうか?くりくりとした大きな瞳が印象的な可愛らしい女の子が三人と、三歳くらいの小さな男の子。
ボロボロの布をぐるぐると体に巻き付け、髪はろくに手入れも洗ってもいないのだろう。フケだらけでくしゃくしゃだった。
他の捕虜たちが露骨に嫌がる素振りを見せる中、コウダイは全く気にも止めず、柔らな微笑みを浮かべ男の子の手をそっと握った。
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