1477人が本棚に入れています
本棚に追加
.
「まずはこれかな?」
「それは辺境伯だな~」
一番大きな箱を手にしたユウ。
丁寧に包装紙を外していく。
「何だろう?」
「辺境伯様でしたらきっとユウさんに合う素敵な物ですよ?」
ディアレストの言葉に頷き箱を開け、そして閉めた。
ディアレストからは見えなかったがユウにはバッチリと見えた。
「ユウさん?
どうしました?」
「いえ…
ちょっと驚いたと言うか…」
「中身は何でした?」
「服…」
「そう言えばユウさんの私服あまり見ないですね?」
「一応あるんですが…
これは私服では着れないと言うか…」
ユウは再度箱を開ける。
確かに部類としては服になるが入っていたのはレースがふんだんにあしらわれた真っ黒なドレス。
「辺境伯の趣味ですか?」
「………
多分普段の私服とは違うものを選んでくれたのだと…」
「ユウの私服は動きやすさメインだからな…」
「でもユウちゃんに似合いそうだよね~」
「そうですか?」
箱からドレスを出してみるユウ。
サイズは違和感がない。
しかし広げてみるとレースがさらに多くヒラヒラとしている。
「動きにくそう…
走れるかな?」
「ドレスの時は走らないものですよ?」
「でも足上がらないと蹴れない…」
「誰を蹴るつもりなんですか…」
ユウにとってはやはり動きやすさ重視のようだ。
.
最初のコメントを投稿しよう!