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「フォルトさん…
少し良いですか?」
「か、かまわない…」
今日のユウは綺麗だ。
普段は活発であり可愛い印象であるがドレスやメイクが似合い、大人びたその姿は美しいや綺麗と言った言葉が似合う女性だ。
いつもと違う雰囲気に照れながらパーティー会場から少し離れる。
「今日はフォルトさんが計画してくれたんですよね?」
「………
内緒にしてくれるように頼んだのに…」
「いえ…
ディア様に教えて貰ったんです…
どうしてもお礼が言いたくて…」
「いつも世話になっていたから…」
「ありがとうございます!
とっても嬉しくて楽しくて…」
「喜んで貰えたなら良かった…」
ユウの笑顔につられフォルトも笑う。
フォルトの笑顔をマジマジと見るユウ。
「な、なんだ?」
「フォルトさんが笑うの珍しいですからね?
笑顔素敵ですね?」
「ふん…
お前には負ける…」
「そんなことないですよ?」
ユウは優しい。
困っていれば手を差し伸べ、間違えていれば怒る。
フォルトはユウに惹かれていた。
しかし今の自分ではユウの足元にもおよばないのも理解していた。
だからフォルトは決意した。
ユウの手を取り膝をつき彼女の手の甲に自分の額をつける。
「ユウ…
お前に誓わせてくれ…
俺はもっと強くなる…
兄よりも父よりも強くなる…」
「フォルトさん…」
「そしていつか…
ユウの横で戦えるように…」
「フォルトさんなら出来ますよ?」
ユウは変わらない笑顔をフォルトに向ける。
それだけでフォルトは満足だった。
覗き見していたファイルたちの行動に眉間にシワを寄せたが。
ユウの誕生日パーティーは楽しいまま終わった。
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