時期を間違えられた聖女様

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. 「と言うわけでこれがドラゴンの鱗らしいです…」 「ひぃやっほ~!!」 カーラは歓喜の声をあげる。 ユウは貰ったドラゴンの鱗を五枚だけ持ってきた。 沢山持ってくればそれだけ噂になり、ドラゴンたちが危なくなる。 そう考えグルスに確認したあと持ってきた。 「ユウちゃんの言いたいことはわかってるわ… 魔法薬師協会は秘密主義原則なの… よっしゃ~ 研究するわよ~」 「……… お願いします…」 「ユウちゃん… 姉さんがごめん…」 「カーラさんは守ることは守る人ですから…」 目をキラキラさせるカーラを眺める二人。 そこへ回りを見渡しながら恐る恐る中へ入ってきたクロ。 「あのチビドラゴンはいないな?」 「リムくんはグルスさんと家に帰りましたよ?」 「あいつ… ずっとオレを噛もうとしやがって…」 「日頃の行い…」 「どうしてそこまで動物に嫌われるんですかね?」 「オレだって仲良くしたい…」 いじけるクロ。 「多分やられる前にやれ的な感じなのでは? クロさんから何かオーラが滲み出てるとか?」 「昔やんちゃしてた名残かも?」 「最近は何もしてない!」 「クロさん目付き鋭いし…」 グサッ! 「行動大雑把だし…」 グサッ! 「空気読めませんよね~?」 チーン… クロに大ダメージ。 クロは力尽きた。 「モンスター引き寄せるアイテムがあるなら動物も引き寄せるアイテム無いんですかね?」 「ユウちゃんなら作れそう…」 「頼むユウ! 作ってくれ! 可愛い動物ともふもふして戯れたい!」 『……… 似合わない…』 カウンターアタック! クロは再起不能になった。 「でもちょっと先生に聞いてみようかな? それとリリスさんに…」 「ユウちゃん優しいよね? たまに厳しいこと言うけど…」 「私ももっともふもふして戯れたいので!」 「ユウちゃんなら埋もれるくらい来るんじゃない?」 ドラゴンだって引き寄せるんだからと呟きロロはユウを見た。 普通の女の子と変わらない彼女が本当は聖女であると言うのは彼らはまだ知らない。 .
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