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「ただ今戻りました!
辺境伯ぅ~!
どこですか~?」
「ユウ…
今何時かわかるか?」
「夕方の六時ですね?」
「出掛けたのは何時だ?」
「二日前の朝御飯の後ですが…
何かありました?」
「何かありました?じゃない!」
テーブルを叩き立ち上がる辺境伯と呼ばれた人物。
彼の名はリロード・ラル・ロード。
王都から離れた辺境の土地を統治するためにいる人物。
城ではないが大きな屋敷に住んでいる。
一方のほほんと返事を返していたのは神代悠(かみしろゆう)。
二月ほど前気が付いたら辺境伯領地内の草原のど真ん中にいたと言う女の子。
「もう楽しかったですよ~
お化け屋敷も真っ青!
大量のゾンビと骸骨ばかりでした~」
「お前は…」
「ちゃんと辺境伯にもお土産ありますよ~!」
机に置いた袋には宝石等の貴金属が入っている。
「冒険者さん達と分けたんですよ~
辺境伯にあげます!」
「またダンジョンに入ったのか…」
「冒険者さんに頼まれたんですよ~
『俺の感では隠し通路があるはず!』というので探すのを手伝ったんですよ~」
「とりあえず…
お帰り…」
「はい!
ただいまです!」
何も言えなくなったリロードに笑顔で返すユウだった。
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