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鷲見組
今までのわたしの人生。詳しくいえば、産まれてから中学までの人生で、友達が一人もできなかった。
ぼっち。ぼっち飯なんぞまだ良い方で、二人一組なんて先生だったし、学校なのに、同級生なのに、全く話し相手がいない。本当に悲しい時間ばかり過ごした。
それもこれも、全て
────鷲見組。
これが原因。
鷲見組は、関東のほぼ全域にまで傘下を広げている……いわばヤクザだ。
わたしがその鷲見組の組長──亮之助の三女として産まれたのが、そもそもの元凶。
そう、わたしは鷲見組のお嬢様なのだ。
大きなヤクザの組長の娘……それも、美人三姉妹……うふふ。とても大切にされていると思うだろう。
少女漫画のように、さぞチヤホヤされていると思うだろう!!!
────否。否!!!!
悲しいことに、わたしはチヤホヤのチの字もない。
長女の美恵子(24)も次女の風子(20)もチヤホヤされているし、上品でお嬢様のようだけれど、わたしは違う。
人見知りだし、美人ではないし、なにより父に可愛がられたことがない。
だから、せめて、ずっと友達が欲しかった! なのに「あの子と遊んじゃ駄目」「ヤクザの子でしょう? 怖いわ」等と、良い印象を周囲の親が受けず、それを子供に強要した結果────わたしには友達ができない。と、思う。
明日からの高校では、友達が出来ますように!
そう祈りを込めに込めて、ベッドへ入る。わたしは変わるのよ。
鷲見組さえバレなければ、友達だって出来るんだから!
いつか好きだった魔法少女の変身呪文を唱えながら眠りについた。
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