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「ねえ君、死にたいの?」 「うあっ!」  びっくりした!  びっくりし過ぎて飛び上がって、もうちょいで足滑らせるとこだった!  慌てて柵に掴まって声の方を見ると、若い女の子が柵に腰かけて、僕に微笑んでいる。何で、いつここに、誰か来た気配なんて微塵もなかったぞ。  彼女は小首を傾げて、まじまじと僕を見つめて来た。 「ね、ホントに死ぬ気なの?」  大きな瞳で、まるで明日の天気でも質問するみたいに、さらっと問い掛けて来た。  うん、ホントに死ぬ気だよ。だから靴脱いでここに立ってるんじゃん。見て分からないの?  そう答える前に、彼女は柵からすとんと降りて、僕と並んだ。 「それなら死ぬ前にひとつ、私のお願い聞いてほしいんだけど」  お願い? 「……何?」 「血、吸わせてよ」 「はああああっ?」  ちょっと意味分からない。彼女、変態さん?  血を吸うプレイなんてあったっけ。あ、もしかしたら猟奇的な変態さんなのかな。こんなに可愛いのに、人殺しとか好きだったら嫌だな。僕的に自殺は良いけど、他人に殺されるのはごめんだ。すんごい痛くて苦しそうだもん。  訝しんでいると、彼女は思い出したようにつけ加えた。
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