僕の彼女は料理がマズイ

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 容姿端麗。  頭脳明晰。  非の打ち所のない僕の彼女は  ……料理がマズイ。 「いや、ほんと。それだけなのよ。後は、完璧!」  愚痴のようなノロケを、彼女いない歴イコール生育年数の後輩に今日も聞かせてやる。 「大学のミスコン覇者で商社の会長秘書をされてるんっすよね。そんな賢い彼女さんなのに、どうして料理が上達しないんっすかね? ちゃんと『マズイ』って教えてあげてるんすか?」 「バッ……!」 ━━バッカだなぁ~。そんなんだから、君はいつまでも一人なんだよ! ……と言いたいところを、優しさというオブラートにくるんで飲み込む。 「『マズイ』なんてダイレクトに評価したら、傷つくだろ? そこは『おいしいよ』と言った上で、『もう少し濃い味でもいいかな』なんて、マイルドにアドバイスしてやるんだよ!」 「はぁ~。そういうもんっすか」 「まぁ、君には分からないだろうな。女心が」  料理がマズイくらい、何てことはない。 僕の彼女は、そんな欠点を補って余りある魅力に満ちた女性なのだから。
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