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その瞬間は本当に気持ちが良くて、私は夫から受けるこの行為にすっかり虜になってしまっていたのでした。
「無理をさせたね」
「……いえ…お気になさらないでください」
行為後も夫はとても優しいです。
いつも私の体を清めて寝間着を着せて、そして優しく髪を梳きながら甘い愛の言葉を囁いてくれるのです。
「翠、今度の休みに少し遠出をしない?」
「遠出……ですか?」
「ワタシの仕事の都合で新婚旅行にも連れてってあげられなかったでしょう?だからその代わりに小さな旅行だけれど」
「嬉しいです。私、あなたと一緒なら何処へでも行きます」
「そう、じゃあワタシが行先を考えますね」
「はい」
(あぁ……本当に幸せです。私とのことをこんなにも考えてくれて)
私はこのあまりにも幸せ過ぎる結婚生活に対してなんの疑いも、不安も感じていませんでした。
夫から注がれる愛情に嘘偽りがないと信じていましたから。
「翠……ワタシのカワイイお嫁さん。ワタシだけの奥さん」
「ふふっ、なんですか。そんな当たり前のことを今更」
「何度だって口に出して実感していたいんです。あなたはワタシのために生まれて来た愛すべき女性なのですから」
「…?」
時々夫が訳の分からない言葉を放っても私はいちいち気に留めません。
私が感じるまま、信じて疑わない限り私はこの幸せな毎日に身を置けるのですから。
例え何かの力で私と夫が引き離されそうになっても、私は絶対に夫の手を放しません。
私の運命の人はこの夫以外には考えられないのですから。
「……大好き……愛しています」
「翠、ワタシもです。──さぁ、夢の中でも愛し合いましょうか」
「ふふっ……はい」
心地よい波に浚われているような感覚で眠りに落ちて行った私はギュッと抱きしめられた感覚がして其処で意識が途切れてしまいました。
あなたがいったように夢の中でもふたり、甘い時間が過ごせたらいいなと思いながら……。
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