美味しさプラスワン

夷藤さんなんてほっといて私もオムライス食べようっと。
ふーふー
私は熱いのが得意ではないのでよく冷まさないと。
はむ。もぐもぐ……
「…夷藤さん」
「ん？」
彼は食べている手を止めて私を見る。
「普通のオムライスですね」
「ははっそりゃそうだよ」
夷藤さんが笑った。
私はなんだかそれだけで、さっきよりもこのハントンライスが美味しく感じられた。

元来、混んでいるお店は得意ではありませんが、こうして彼と一緒にお昼を食べるのは悪くないです。
むしろ、好ましいくらい。
私もなんだか嬉しくなって笑った。

ＥＮＤ