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恋愛は芸術を殺す
理科の先生が言っていた
芸術と縁のない人だと思っていたけど、彼がその言葉を言ったのは
真理だったかもしれない。
恋でダメになるよう物書きは本物じゃないと、習い事の先生はいった。
懸命になるためのモチベーションになってくれたその言葉は、彼の気持ちをうまく表していたのだろうか。
僕のであった人の大半は、恋人がいてとても優しかった。
反面、決まったパートナーのいない人たちはどこか、寂しそうというよりか
ささくれだっていた。
あくまでも僕の統計だが、普段から触れあえる人のいる安心感は、自己肯定間に直結している。
恋愛は芸術を殺す
たかが恋愛に、押し潰されてしまうものは果たして芸術と呼べるのだろうかとシャッターに書いてあるスプレーの文字を眺めながら考えていた。
絵だけあればいいの、それだけが生きる意味と断言した彼女が
先月結婚をした。
嘘つきとは思わなかったし、良かったという感想しかない。
歌が好きだからとカラオケで働いていた彼女は、同じビルの法律事務所の事務をしている。
それでいい。
人の人生に点数をつけることは、問題だけれど
周りの人の人生の矢印があらぬ方向へ、そしてあらゆる方向に伸びていくのは
いつ見ても美しい。
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