二通目

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二通目

自分の気持ちを形にしたくて書いたような たとえば歌は 必ずしも君に正しく届くものだけじゃない 意味のある言葉が 一体どれほどあるだろう 交わす会話には意味が無い? だってお互い腹の探り合い 僕が意味のある真実など何も話さなくても 君は君なりに 勝手に何かを感じ取って笑うだろう ならばなぜ僕は伝う それっぽくまとめ上げた表現の渦で 君を煙に巻こうとしてるだけなんだけど 君はそんなこと気にせずに 勝手に涙なんか流してるんだろうさ 君への愛情や友情を 心のどこかに持ってないわけじゃない たぶんそうだと思っているけど それを言葉にして伝える意味はあるのかな いちいち話さなきゃ伝わらないほど 僕らは遠い遠い別のものかな できれば言葉なんて一度も使わずに 君を朝までまるめこんでしまえたら理想的なのに 君は相変わらずいちいち いいわけがましい僕の台詞を待っているんだろう 馬鹿みたいに目をうるませてさ いっそこの喉もこの目も 潰してしまおうか お互いにさ それでも伝わる何かがあるんじゃないのかい それでも伝わる何かを  僕は信じたいのだけど 君は相変わらずいちいち 理屈臭くてつまらない僕の論詞を待っているんだろう 馬鹿みたいに怒ったりしながらさ 僕は僕で 止めらんない頭の中の喋り声を うるせぇなって酔っ払ってかき消しながら 曖昧になってもっと意味も無くなったぐらいで ちょうど良く落ち着いた言葉を君に撒き散らして そのぐらいをちょうどいい関係だって 目も合わせないで コミュニケーション理論なんか語ってる だけどそれで構わないんだ 言葉で伝えたい事なんて何も無い 伝えたい事は言葉にならない そんなこんなでまた この手紙も君には出さずにおこう 意味があるように見せかけてる 丁寧な文法の丁寧な文字列なんて 読んでもらっても愚にもつかない幻で 浮かんでは消えていく泡沫のようなものだからさ
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