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突然の出来事
「あれっ先輩、指輪どうしたんですか?」
オレが指輪を外した次の日、会社の後輩でそんなに関わりのない、別部署の子に言われた。彼女が入社以来、部署が違うのもあってほとんど会話らしい会話も交わしてなかったのに。
『何故、気付いたんだ?』
決して動揺を悟られないように、敢えてぶっきらぼうに、
「ただ、なんとなくね」とだけ答えて、自分の部署に行こうとしたオレに彼女は駆け寄ってきた。
「本当にそれだけですか?」
その一言が、ズッシリと心に響いた瞬間、何故だか悲しみを通り越した感覚に襲われ不覚にも涙が少しこぼれた。
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