いっときの安らぎ

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いっときの安らぎ

「ねえ、ちょっと同窓会に行ってきていい?」 夕食後の軽い会話だった。「ああ、いいよ。高校の時のかい?」そう聞くと、 「う、うん。そうなんだけど。」少しの狼狽があった。 その時は、特に気にもせず聞き流していたが、これが最初だったのだろうと 今は判る。 スマホはお互い持っていて、俺がスマホロックがキライでやましい事は何も ないので、「いつでも見ていいよ。」と言っていた。実際に会社で使用する アドレスやメールしかなかった。それに合わせてくれたのか妻も「私のも ロックかかってないからいいよ。」と言っていたはずが、いつの間にかロックをかけるようになっていた。 別に覗き見ようとした訳ではなく、妻が「ロック番号忘れちゃった、思いつくものない?」と、唐突に聞いてきたのだ。
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