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ふと気が付くと、私は空を飛んでいた。
右側には海が広がり、太陽の光を反射させ水面がキラキラ輝いている。そして、白い砂浜がどこまでも続いていた。左側には港町でよく見られる瓦屋根の民家が隙間なく並んでいた。そこは見知らぬ町であった。何かのきっかけで訪れたのか、テレビで見たのかもしれないが、すぐには思い出すことができなかった。そんな町の上空を、民家の屋根から数メートルの高さを、私は両手を広げて飛んでいた。乗り物に乗っている訳ではなく、吊るされている訳でもない。まるで、超能力を使用して浮かんでいるようだった。
“空を飛びたい”
ポツポツと白い雲が見られ、吸い込まれそうな青く澄んだ空。飛びたいと思っていた空を私は飛んでいるのである。ふわふわした感覚でとても気持ちが良い。このままこの空を、この感覚のまま飛び続けたいと思っていた矢先、目覚まし時計のアラームに気が付き私は現実に戻された。
「夢だったんだ…」
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