最後の晩餐

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姉が、また、トーナメントを開催している。 「地球最後の日に食べるもの決定戦」である。 何回目の開催なのかは、もう数えていない。 よく飽きないなと思う。 朝食に関しては、たまに優勝者が変わっているみたいだけど、昼食と夕食は、第1回から海鮮丼とステーキ重以外が勝ったことはない。 今回も、エントリー数の関係もあって、ステーキ重は夕食トーナメントのシード選手のようだ。 いや、だから、シードにしてる段階で、勝負は見えているではないか。 事前に決める意味はあるのか、心配になる。 海鮮丼は、備蓄が難しそうだし。 地球最後の日に、新鮮な魚介がうまく手に入るとよいが。 なぜか、姉の中では、朝食→昼食→夕食の順番で食べることになっているのだが、地球滅亡の瞬間は果たして夜なのかという疑問も存在する。 正午に、巨大隕石が衝突する可能性も、あると思うのだが。 不定期に開催されているが、今回は、開催された経緯がはっきりしているので、静かに見守っている。 本日、トーナメントが開催される運びとなったのは、NASAが適当極まりない発表をしたからだ。 曰く、「小惑星が地球にぶつかりそうでした。一昨日。」 なぜ、事前に発表しなかったかといえば、 ・多分、大丈夫だと思ったから。 ・気付いたときには、かなり地球に近くて、取れる対策が特になかったから。 ということらしい。 これにより、NASAは、有効な対策が存在しないときには、地球人に地球の滅亡をお知らせしてくれない、ということがわかってしまった。 「混乱が起きないように」みたいな配慮なんだろうけど、できるだけ告知はして欲しい。 世の中には、最後の日に食べたいものが、三食決まっている人間だっているのだから。 ちなみに、私が、地球最後の日に食べたいのは、姉が昔よく作ってくれた野菜スープである。 第3回トーナメントのときに、その旨は伝えたのだが、覚えているだろうか。 可能であれば、海鮮丼とステーキ重を食べる合間の時間にでも、作って欲しいものだ。
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