第八章

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第八章

 養父が駆けつけた時、私は血溜まりの中にいた。  あと少しで自分を制御できなくなると悟った私は、憎いあいつの言った通りになってしまう前に、自らの首を切り裂いたのだ。  あいつへの憎しみを、原動力にして。  それにしても、養父が間に合ってくれて良かった。どうやら、最期の言葉をちゃんと伝えられそうだ。  そして私は、その言葉を口にする。 「――」  あいつは、正しかった。  でもこれで、間違っていたことになる。  ざまあみろ。  ざまあみろだ。  はは。  ははははははは。
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