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「私は、法令にー上司に従って施術を行っただけです。それに何の疑問もありませんでした。今考えてみれば、あんなに恐ろしい事をしていたと言うのに!私は、何の疑問も、抱かなかったのです!」
それが罪であったと、嘆く。罪の意識すら持っていなかった自分を恥じる言葉を繰り返し零した男の声は最早、慟哭に近かった。会った事もない誰かの言葉を寄る辺として、自分の心の叫びを黙殺する。
そうやって目を背けても、現実は何も変わらず眼前には自分の罪が鎮座していた。
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