合法なる罪

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 男が自分の罪の影に再び怯え始めたのは、彼に何人目かの孫が生まれた時であった。 「私の孫の一人は、生まれた時から病気を患っています。もう小学校に上がる年齢ですが、殆ど病院から出た事はありません。一日の大半は眠っていて会話をした事も無いんです」  彼の語る限りでは相当重篤な状態であるようだ。そして、その孫の姿を目にした時、彼は若かりしころの自分の罪を思い出した。 『もしや、これは私の罪がこの孫の病となって現れたのでは無いか』
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