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葬儀は千幸の両親・弟・そして祖母のみで行われることになっていた。
駅まで迎えに来た母親は、千幸に会うなり愚痴をこぼした。
「佳鈴ちゃんの父親や親戚とは全く連絡が取れなくって、葬儀の手配やら全部こっちでやることになったのよ。ただでさえ直樹が受験で大変なのに、勘弁してよって感じだわ」
人が亡くなったのに愚痴なんて、と千幸は顔をしかめた。しかし葬儀の準備や手配を手伝っておらず、大変さがわからないため、母を咎めることはできなかった。
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