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〝ピーーーッ〟と電子音がして開錠されたようだ。
石井は大きなレバーハンドルを90度捻ってドアを引いた。
「・・・・・・」一同がその中に目を凝らす。中は真っ暗だった。
「おい、行け」
村岡が後ろにいる機動捜査隊のメンバーに顎で指示をした。
拳銃を構えたまま中に足を踏み入れる隊員。
「出てきて下さい。動けますかぁ?」
三人とも中に入る。
黙ってそれを見ている石井。チラッと村岡を見ると目が合った。
「本当にいるのか?」と聞く村岡にコクリと頷く石井。
「スイマセン、電気は点きますか?」
中に入った隊員の一人が出てきて石井に聞いた時、
「グゲェア~~ッ!」
と異様な声がしたと同時に「うあぁっ!」と中の隊員が後ろ向きに放り出された。その隊員とぶつかりスーツの刑事が一緒に倒れた。
「何だ?!」
「ギャァアオゥグェ!!」
〝パンッ!〟〝パンッ!〟2発の銃声がした。
「クマだ! クマがいるぞ!!」
「何だと?!」
それを聞いて石井を放り出して逃げだす村岡。他の隊員もドアから飛び出して来た。その勢いで転がり四つん這いになって立ち上がる。
「お前ら、仕留めろ!!」
「うあぁあっ!!」
「撃てよ! 撃てっ!」
〝パンッ〟〝パンッパンッ〟
起き上がった機動捜査隊がドアの中に向けて拳銃を撃ち放つ。
次の瞬間、姿を現したのは熊などではなく人間だった。暗がりでよく見えないが男であることは間違いなかった。
「人間じゃないか!」
叫ぶ村岡。石井はその間に距離を置いて横の部屋へ逃げた。その石井をまだ留まっていた大輔が見ていた。石井の逃げた部屋へ反対方向から先回りする大輔。
「やめろ人間だ! 撃つな~っ!!」
叫ぶ村岡に発砲を止める隊員達。
「えっ?!」
しかし次の瞬間すごい勢いで隊員に襲い掛かかる男。一人を捕まえると首を掴んで爪を立てて握りつぶしてしまった。
「ぎゃぁああああっ!」
噴き出す血を浴びながら獣のように仁王立ちする男は、なぜか警察官の礼服を着ていた。絶命する隊員を踏みつけて進んで来る男。
「現行犯だ! 撃て、撃つんだ~っ!!」
〝パンッ〟〝パンッ〟〝パンッ〟〝パンッ〟
銃弾が浴びせられるが気にもせずに進んで来る。
「何だ? どうなっている?!」
仰天する警官達。もう逃げるしかなかった。
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