さようなら

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さようなら

『お掛けになった電話番号は現在使われておりません』 という放送が流れる 別に恋人でもないのに なぜか驚いた なぜか悲しく虚しく 怒りさえ感じた 私に断りもなく突然いなくなるなんて 冷静に考えれば2~3日前から文通を始めただけの間柄 私が動揺する理由なんてないはずなのに 私は家にあったメモ用紙に手紙を書いた 勝手過ぎる  私の心をもてあそび 傷つけることが目的? それとも こんなことで動揺する私自身が  子ども過ぎる? 私はもうムリ  心が狭い人間かもしれないけど フェイントみたいに 裏切られることに 慣れてないんです  耐えられません    さようなら (あるじ)がいなくなった美容室の住所宛に手紙を出す 誰にも読まれなくていい 自分の気持ちを表明せずにはいられなかった これで終わった 3日で終わらせてもらえたことは幸いかもしれない 勝手に勘違いしてイライラする私を あざ笑っているかもしれない ああ バカバカしい
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