二通目の手紙

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二通目の手紙

 その日 家に戻って車を車庫に入れた時 誰かに見られているような気がした 郵便受けに手紙が2通届いていた 一通目 毎日必ず手紙を書くこと お願いします いとこに手紙を転送してもらうから  恋人らしい言葉を並べて下さい マユリンの手紙を励みに頑張る  明日ニューヨークへ出発する  友達の美容師の紹介で修行先の店が決まった  着いたら写真送ります 二通目は差し出し人の住所も同じ美容室 ただ名前がKではなくFだ まさかKのいとこ? しかも切手は貼られておらず 直接本人が郵便受けに投函したらしい  現在Kの家に住んでいるFと申します あなたからの手紙をスキャンしてKに転送しています なぜそんなことを始めたのか Kとの約束では最後まで あなたには秘密にしておく予定でした 「泣いた赤おに」の話 知ってますよね? あの話を真似て 一人が悪者になり一人がいい人になり いい人が悪者をやっつけ あなたを助け あなたに好かれるように と考えたのです つまり俺はKの妹を殺したストーカー役 Kはあなたを守り助ける役 あなたを守る役なのに なぜ今 修行だかチャレンジだか知らないけれど急に店を閉めてまで遠くへ行ってしまったのか俺にはわからない ストーカー役の俺が いつかアクションを起こしたらKがあなたを助けるという計画を考えたのは俺 だから俺は今の状況であればアクションを起こす何日か前にはKに連絡しなきゃいけない訳だ Kがあなたを助けるために戻って来るまで どのくらい時間がかかるかわからないから ところが今日 嫌な予感がした あなたの身に何かありませんでしたか?というのは 俺が日中仕事に出ている間に誰かが美容室の鍵を開けて出入りした形跡があった 美容室の鍵を持っているのは俺とKだけのはず 昨日あなたから手紙が届かなかったので俺的に少し心配ではあった その事と誰かが美容室に出入りした可能性との関連性を想像する もしかしてKが出入りしたとしたら Kはまだ この町のどこかにいるのかもしれない それは何のため?考えると不安になりませんか?俺は不安になり あなたにすべてを話すことを決意しました Kへの手紙には Kが望むような手紙を書いてください 俺の手紙の内容は知らないことにして下さい けれど何か不安があれば俺に手紙で知らせてください F
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