月夜のおまじない

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 バイトが終わる頃にはすでに暗くなっていて、外は蒸し暑かった。  それでも自転車で走る海沿いは風が気持ちよく、磯の良い香りに包まれると、今夜の目的を忘れそうになった。  このまま走れるところまで走ろうか・・・・・・  ふと、海岸に目をやると一人で座っている女の姿が目に入った。  子供?  隣に座っている人影らしきものが気になり徐行する。  それは、女の横にちょこんと座っていた。  僕は自転車をガードレールにくくり付けると、海に向かって歩いた。  正確に言うと、女目掛けて歩き始めていた。
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